東日本橋レディースクリニック

東日本橋にある駅チカクリニックです。診察中には説明しきれない事を中心に女性医療に関する事を書いています。

帝王切開の傷が感染しないように

2013年での日本での帝王切開率は18%と言われています。また、世界的にも帝王切開の比率は3割近くになっています。

 

帝王切開は赤ちゃんにとってはストレスの少ない出産方法ですが、お母さんにとってはお腹を切ることになるため、負担が大きく、帝王切開率をそれほど上げないことも大切になってきます。

 

そこで、今回は帝王切開のリスクの1つである術後感染についての論文をご紹介したいと思います。

 

帝王切開では、お腹を大きく切るため、その傷痕に感染を起こすことがあり、もし感染を起こしてしまうと、再手術が必要になったり、入院期間が延びることになります。

 

そこでこの論文では、帝王切開の傷跡が感染するリスクについて評価しています。

 

https://www.ejog.org/article/S0301-2115(09)00646-0/fulltext#/article/S0301-2115(19)30347-1/fulltext

 

2005年から2016年にかけてアイルランドで出産した妊婦さん802,182人を対象にしたところ、219,859人(27.4%)が帝王切開で出産していました。

 

そのうち、1,396人(0.63%)が帝王切開の傷痕に感染を起こしました。

 

内訳を見てみると、35歳以上では25歳以下に比べて感染リスクが40%高く、糖尿病や尿路感染があると2倍のリスクになりました。

 

また、早期破水や出産中の発熱、出産後の出血も感染リスクを40〜60%高めていました。

 

何より帝王切開の傷の部分に血腫(血の塊)が出来ることは、感染リスクを大きく高めていました。

 

血腫というのは全ての手術に起きうることですが、塊を作ってしまっているため、抗生物質を使っても中々効かにくく、最終的には再手術をして血腫を取り除くことも多い状態です。

 

特別、普段から何かに気を付けて血腫予防ができるわけではありませんが、術後の感染という点で考えると、糖尿病によるリスクは日頃から気をつけられる点かと思いますので、血糖値のコントロールはしっかりするようにしましょう。