東日本橋レディースクリニック

東日本橋にある駅チカクリニックです。診察中には説明しきれない事を中心に女性医療に関する事を書いています。

妊娠中の薬と子供の発達障害について

以前、不眠や不安障害の時によく使われるベンゾジアゼピン系という薬と妊娠の関係について書いたのですが、今回は同じようにベンゾジアゼピン系の薬や、ベンゾジアゼピン系の薬と似たような作用を持つ睡眠薬と、妊娠の関係について調べた論文をご紹介したいと思います。

 

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2729800

 

こちらの論文では、先程説明したベンゾジアゼピン系の薬と睡眠薬を妊娠中に内服した場合、子供にどのような影響があるか調べています。

 

対象となったのは1999年から2008年にかけてノルウェーで調査した父母とその子供、5歳の時点での子供の発達を評価しています。

 

36,086人の子供(18,330人は男の子、17,756人は女の子)について調べたところ、283人は妊娠中にお母さんがベンゾジアゼピン系/睡眠薬を内服していました。

(134人は不安障害/鬱病、60人は睡眠障害、89人は疼痛関連疾患でした)

 

その結果、妊娠中のどの期間にベンゾジアゼピン系/睡眠薬を内服していても、子供の明らかなADHD症状や細かい運動機能の障害を引き起こすリスクに大きな影響はありませんでした。

 

一方で、鬱病/不安障害のあるお母さんが妊娠後期にベンゾジアゼピン系/睡眠薬を内服すると、体を大きく動かす機能やコミュニケーション機能の障害が起きる確率が高くなっていました。

これに関しては、鬱病/不安障害に対する他の薬を高容量に内服している事などが原因となっている可能性もあり、ベンゾジアゼピン系/睡眠薬だけが問題とは言い切れない結果でした。

 

以上のことから考えられるのは、少なくともベンゾジアゼピン系の薬/似た系統の睡眠薬によって、ADHD症状や細かい運動機能の障害のリスクは上がらない、ということです。

 

ベンゾジアゼピン系の薬に関しては、他にも様々な論文がありますので、その都度ご紹介していきたいと思います。