東日本橋レディースクリニック

東日本橋にある駅チカクリニックです。診察中には説明しきれない事を中心に女性医療に関する事を書いています。

お産の傷を軽くする方法

経腟分娩をする時、特に初めてのお産の方であれば、どうしても会陰裂傷という傷が外陰部に出来てしまいがちです。

 

赤ちゃんの頭の大きさに比べて、腟の出口の広がりが足りないために裂けてしまったり、あるいは予防的に会陰切開と言って、切って広げることも。

 

そこで今回は、その会陰裂傷を出来るだけ少なくする論文があったのでご紹介したいと思います。

 

https://www.ejog.org/article/S0301-2115(09)00646-0/fulltext#/article/S0301-2115(19)30297-0/fulltext

 

こちらの論文では、2103人の妊婦さんを対象に、温かいタオルで分娩第二期(子宮口が完全に開いてから赤ちゃんが生まれるまで)に会陰を圧迫する効果について調べています。

 

赤ちゃんの頭が会陰を圧迫し始めてから、もしくは分娩第二期になって赤ちゃんが下がってきてから温かいタオルでの圧迫を開始した結果、会陰裂傷のないお産が22.4%でした。一方、そういった圧迫をしなかった場合は15.4%でした。

 

肛門括約筋が断裂する3度裂傷は、1.9% v.s. 5.0%、直腸まで裂ける4度裂傷は、0.0% v.s. 0.9%、3度・4度裂傷を合わせると、1.9% v.s. 5.8%と、どれも温かいタオルで圧迫したほうが低い確率になりました。

 

また、会陰切開の確率も10.4% v.s. 17.1%と、温タオルでの圧迫に効果を認めました。

 

このように、出産の時の会陰の傷を出来るだけ小さくするためには、温かいタオルで圧迫することが大切だということがわかります。

 

会陰の傷は、産後の尿失禁や会陰の痛み、性機能への影響も考えられるため、出来るだけ予防しておいた方がいいと言えます。

 

温かいタオルで圧迫する程度であれば、他に大きな問題も起きないでしょうし、これからお産に控えている方は、一度分娩先で対応しているかどうか確認されてはどうでしょうか。