東日本橋レディースクリニック

東日本橋にある駅チカクリニックです。診察中には説明しきれない事を中心に女性医療に関する事を書いています。

クラミジア感染症と早産の関係

赤ちゃんが生まれる週数は妊娠37週以降を正期産と言って、赤ちゃんにとってよりリスクの少ない時期として定義されています。

 

そのため、妊娠36週以前に生まれることを早産と呼び、赤ちゃんにとっては週数が早ければ早いほど、リスクを伴うことになります。

 

赤ちゃんのことを考えて、出来るだけ正期産に近づけることが産婦人科医にとっての1つの課題になってくるのです。

 

そこで今回は早産とクラミジア感染の関係についての論文をご紹介したいと思います。

 

Chlamydia trachomatis screening in preterm labor: A systematic review and meta-analysis. - PubMed - NCBI

 

こちらの論文では、591名の妊婦さんを対象に調べ、切迫早産(お腹が張ったり、子宮頸管長と言って子宮の出口が短くなること)が309名、早産兆候のない妊婦さんが282名を比較しました。

 

その結果、切迫早産の方ではクラミジア感染が308名中27名(9%)、切迫早産の兆候がない方では282名中3名(1%)でした。クラミジア感染のある方では、切迫早産のリスクが7.74倍という結果だったのです。

 

実際に切迫早産になった方が、そのあと早産となったかどうかまではわかりませんが、日本においては切迫早産という診断がつくと、数週間、数ヶ月単位での入院が必要になることも珍しくなく、できることなら切迫早産は避けたい状況です。

 

次の論文ではクラミジア感染が実際に早産に繋がっていないかを検討しています。

 

Chlamydia trachomatis and Adverse Pregnancy Outcomes: Meta-analysis of Patients With and Without Infection. - PubMed - NCBI

 

こちらの論文では1970年から2013年という長期間に発表された129の論文をまとめたものです。

 

614,892名の妊婦さんが対象になり、クラミジア感染のある方が早産となるリスクは1.27倍でした。(古い論文、多くの論文をまとめたデータなので、正確性はやや落ちます)

 

他にクラミジア感染が関わるリスクとしては、早期破水が1.81倍、子宮内感染が1.69倍、低出生体重(2500g未満で生まれること)が1.34倍、子宮内胎児死亡が1.44倍でした。

 

古い論文が入ってくるとクラミジアの検査方法も異なったりして、論文としての精度を欠く部分はありますが、クラミジア感染は妊娠経過にとって余り良い影響は与えないだろうな、ということが推測されます。

 

Chlamydia trachomatis infection during pregnancy associated with preterm delivery: a population-based prospective cohort study. - PubMed - NCBI

 

この論文でもクラミジアと早産の関係性が指摘されています。

対象となったのは、2003年から2005年にかけて4055名の妊婦さんで、出産週数と出産体重について、3913名の赤ちゃんを調べました。

 

その結果、クラミジアの感染率は3.9%、32週以前の早産リスクは4.35倍、35週以前の早産リスクは2.66倍という結果でした。

 

32週以前の早産の14.9%、35週以前の7.4%がクラミジア感染に起因するものと想定されました。

 

このように幾つもの論文でクラミジア感染と早産など赤ちゃんにとってリスクとなるものの関係性が指摘されています。

 

妊婦健診の中でクラミジア感染症の検査をする事が多いですが、放置しておけば不妊に繋がることもあるため、妊娠を考え始めた時に一度は検査を受けられることをお勧めします。