東日本橋レディースクリニック

東日本橋にある駅チカクリニックです。診察中には説明しきれない事を中心に女性医療に関する事を書いています。

妊娠中は仕事を制限した方がいいのか

妊娠初期によく聞かれる質問の一つに

 

仕事をどうすればいいのか

 

ということがあります。

 

今回はそんな仕事と妊娠に関する論文をご紹介したいと思います。

 

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0002937819311433

 

The impact of occupational activities during pregnancy on pregnancy outcomes: a systematic review and meta-analysis

 

こちらの論文では、妊娠中の仕事がお母さんと赤ちゃんの健康にどのような影響を与えるかを調べています。

 

仕事の種類としては、重たいものを持つ仕事、長時間立ち続ける仕事、長時間歩く仕事、長時間背中を丸める仕事、肉体的な重労働が含まれます。

 

お母さんと赤ちゃんの健康については、早産、低出生体重(赤ちゃんが2500g未満で生まれること)、流産、子宮内胎児発育不全(お腹の中の赤ちゃんの成長がわるいこと)、妊娠高血圧、妊娠糖尿病、死産について検討しています。

 

853149人の妊婦さんを対象に調べたところ、11kg以上のものを持つ仕事だと流産の確率が31%上がり、子癇前症(妊娠中に高血圧やタンパク尿が出て、お母さんや赤ちゃんの不幸な結果に繋がるリスクがあります)の確率が35%上がりました。

 

また、1日に合計100kg以上持ち上げる仕事では、早産の確率が31%上昇し、低出生体重児(2500g未満で赤ちゃんが生まれること)のリスクが約2倍になりました。

 

長時間立ち続ける仕事では、早産の確率が11%上がり、赤ちゃんがSGAとなるリスクも17%上がりました。

(SGAとは、お母さんのお腹の中にいる期間毎に身長・体重の平均を出し、100人の中で小さい方から10番目までに入ること)

 

肉体的な重労働は、早産の確率が23%上がり、2500g未満で生まれるリスクは79%上がりました。

 

1日に2.5時間以上立つ仕事では、早産の確率が10%上がりました。

 

以上のことから、11kg以上だったり、1日に100kg以上というかなり重たいものを持つ仕事や、長時間の立ち仕事など、重労働に関してはある程度避けた方がよさそうだ、ということが言えます。

 

妊娠しただけで、仕事をガラッと変えるのは難しいと思いますが、同じ職場での配慮はある程度可能だと思うので、妊娠がわかった時点で職場に配慮してもらうよう相談してみてはどうでしょうか。