東日本橋レディースクリニック

東日本橋にある駅チカクリニックです。診察中には説明しきれない事を中心に女性医療に関する事を書いています。

出産と尿失禁について

以前、尿失禁に関するブログを書きました。

 

https://www.obgyne.work/entry/2019/10/12/183000

 

今回は、出産がどのように尿失禁に影響を与えるかを調べた論文をご紹介したいと思います。

 

https://www.ajog.org/#/article/S0002-9378(18)30941-4/fulltext

 

こちらの論文では、自然分娩、吸引分娩、鉗子分娩と切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁について調査しました。

 

腹圧性尿失禁は、笑ったり、咳をしたり、重いものを持ったりして、お腹に力を入れると生じてしまう尿失禁のことです。

切迫性尿失禁は、突然抑えきれない強い尿意が来てしまって失禁することです。

 

13694人の20歳以上の女性を対象に調査したところ、12.7%が腹圧性尿失禁を訴え、8.4%が切迫性尿失禁を訴えました。

 

50歳以下で検討すると、腹圧性尿失禁に関しては、自然分娩と比べて鉗子分娩をした方が1.42倍多くなっていました。(吸引分娩は、自然分娩と変わりませんでした)

 

また、吸引分娩よりも鉗子分娩の方が、1.76倍ほど腹圧性尿失禁になる方が多い結果でした。

 

ただし、50歳以上になれば、どのような形での出産も、腹圧性・切迫性尿失禁に影響を与えることはありませんでした。

 

以上の結果から、50歳以下の女性に限って言えば、鉗子分娩が腹圧性尿失禁のリスクになりうると言えそうです。

 

前回のブログでも書きましたが、出産前から骨盤底筋運動をすることで、ある程度の対策は可能なので、まだ尿失禁で悩んでいない方も日頃から骨盤底筋運動を心がけるようにしましょう。