東日本橋レディースクリニック

東日本橋にある駅チカクリニックです。診察中には説明しきれない事を中心に女性医療に関する事を書いています。

排尿に関するお悩みについて

排尿に関する症状で婦人科を受診される方は非常に多いのですが、中でも一番多いのは「膀胱炎」と「尿失禁」です。そこで、今回はこの二つについて説明したいと思います。

 

まず、膀胱炎ですが、女性の場合は膀胱から外までの尿道の長さが非常に短いため、膀胱の中に簡単にバイ菌が入ってしまいます。特に性行為をきっかけにバイ菌が入ることが多く、性行為直後に水分をしっかりとって排尿することが予防策の一つになります。

排尿痛や頻尿、残尿感が典型的な症状なので、繰り返す人は自分で「膀胱炎になった」とわかることもあります。ただし典型的な症状がそろわないこともあるので注意が必要です。

治療としては抗生物質を飲むことになりますが、どうしても病院を受診する時間が取れない時には、水分を沢山飲んで、出来るだけ尿を出す回数を増やしましょう。そうすることで、膀胱内のバイ菌を洗い流して症状が改善することもあります。

 

次に、尿失禁です。尿失禁にはいくつか種類があって、咳をしたり笑った時にお腹に力が入ってしまい尿が漏れてしまう「腹圧性尿失禁」や、急におこる抑えられないような尿意を感じるとほぼ同時に失禁してしまう「切迫性尿失禁」、その二つが混ざった「混合性尿失禁」があります。

 

腹圧性尿失禁の場合は、尿の出口の部分の筋肉が弱くなっているため、骨盤底筋運動という筋トレをするのが効果的です。おならを我慢する時にお尻に力を入れると思うのですが、その力の入れ方が骨盤底筋運動になります。そこで、1日に何度もお尻に力を入れることを繰り返していれば、数カ月単位で改善することがあります。

ただし、腹筋のようにお腹に力を入れるのは逆効果なので気を付けてください。純粋にお尻にだけ力を入れるようにしましょう。

また、病院で症状を改善するための薬を処方することもありますが、それでも改善しない場合には専門の病院で手術をするのも選択肢となります。

 

次に、切迫性尿失禁です。上でも説明したように突然の尿意があって尿失禁してしまうことを切迫性尿失禁というのですが、同じように突然の尿意があり、頻尿・夜間頻尿を伴うものをまとめて「過活動膀胱」と呼びます。この過活動膀胱の中に切迫性尿失禁や混合性尿失禁(切迫性尿失禁+腹圧性尿失禁)が入ってくるイメージです。

 

そこで過活動膀胱についての説明をしていきたいと思います。

過活動膀胱の定義としては

  • 我慢することが困難な突然の尿意
  • 頻尿:1日の排尿回数が8回以上
  • 夜間頻尿:夜間就寝中の排尿回数が1回以上

となっています。

ヨーロッパでは、40歳以上の女性の16%、アメリカでは18歳以上の女性の17%、台湾では20歳以上の女性の18%が科活動膀胱と言われており、日本でも10%ほどと報告されていて、決して珍しい状態ではありません。

そこで、以下の問診用にて過活動膀胱の重症度を判定することになります。

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この問診票で、質問3の点数が2点以上、かつ、合計点が3点以上だと過活動膀胱の診断基準を満たします。

そして、5点以下であれば軽症、6~11点が中等症、12点以上が重症となってきます。

 

改善方法としては、水分やカフェインを摂りすぎているようであれば控えること。膀胱訓練といって、尿意があっても出来るだけ我慢すること。上の方で説明した骨盤底筋運動も有効です。

また、病院から処方する薬にも様々なタイプのものがあるので、その中から自分に合ったものを探していくのも大切です。

 

以上が尿失禁に関する説明になります。例えば子宮筋腫のせいで尿失禁が起きることもあるので、一度は婦人科での診察も必要になりますが、ご自宅での改善方法として有効なのは骨盤底筋運動であり、これは産後の尿失禁予防にも効果的と言われています。それほど大変な運動ではないので、時間を見つけて取り組むようにしてくださいね。