東日本橋レディースクリニック

東日本橋にある駅チカクリニックです。診察中には説明しきれない事を中心に女性医療に関する事を書いています。

生理痛がツライ、けど妊娠もしたい

生理痛がつらい時には痛み止めや漢方を使う以外に、ピルのようなホルモン治療を行えば、痛みをかなり軽くすることができます。

 

ただ、ホルモン治療として使っている低用量ピルは避妊効果もあるため、妊娠を考えているときには内服できないことになります。

 

また、同じように生理痛に対して使うディナゲストという薬に関しても排卵を抑えることになるので、妊娠を考えているときには使えない薬になってしまいます。

 

そこで、今回ご紹介するのが、デュファストンという薬。これはかなり昔からある薬で、生理不順を整える時によく使います。また、排卵後に卵巣から分泌される黄体ホルモンという分類に入るため、不妊治療の中で使うこともよくあります。そして、先ほど説明したディナゲストも黄体ホルモンの1種なのですが、このデュファストンという薬に関しては、排卵を抑制する効果がないため、妊娠を考えている方でも内服できることになります。

 

そして、こちらの論文では、このデュファストンが生理痛に対して効果があるのではないか、という検証をしています。

 

The efficacy and safety of dydrogesterone for treatment of dysmenorrhea: An open-label multicenter clinical study. - PubMed - NCBI

 

対象となったのは20~45歳の月経困難症と診断された44人の日本人女性です。

月経困難症のスコアとしては、

 

痛みのレベル

  • 0点 痛み無し
  • 1点 仕事を少し妨げる
  • 2点 うそをついて休みたいほど仕事に影響している
  • 3点 1日以上ベッドに横たわり、仕事できない

鎮痛剤使用のレベル

  • 0点 使用なし
  • 1点 生理中に1日間使用
  • 2点 生理中に2日間使用
  • 3点 生理中に少なくとも3日間使用

という評価をしています。対象となった女性は、月経困難症スコアが3以上の方たちで、平均スコアは4.6でした。

彼女たちに、生理の5日目から25日目まで、デュファストン5㎎を1日2回内服してもらいました。

 

その結果、内服し始めた次の生理の時には、スコアが1.5下がり、4カ月目にはスコアが2.18下がっていました。

 

また、全く痛みがない状態を0㎜、考えうる最も強い痛みを100㎜という長さで表現したVASスコアというものに関しては、内服前のスコアが54.7㎜だったのが、内服開始4か月後には20.99低下していました。

いずれの結果からもデュファストンの内服が生理痛に効果があることがわかりました。

 

次にデュファストン内服中の排卵についてです。

BBT(基礎体温)を計測すると、排卵すれば必ず高温相になるのですが、デュファストン内服前には70%の方が高温相になっていました。内服後は、2回目の生理周期で50%、5回目の生理周期で61%の方が高温相になっており、排卵していることが確認されました。

 

最後に副作用ですが、29.5%の方に不正出血が認められましたが、他に重篤な副作用はありませんでした。

 

また、現実的な問題として、薬の値段が安い、というのもメリットの一つです。

デュファストン5㎎は1錠34円程度。生理痛に対しては保険が効くので、3割負担で1錠10円。1日2錠内服したとしても、1日20円程度なんです。(薬局の調剤料などが加わるので、実際はもう少し高くなります。)

ルナベルというピルでは、後発品を選んでも1日150円、ヤーズは1日240円、ディナゲストに至っては1日320円なので、デュファストンの安さがよくわかります。

 

以上の事から、妊娠を考えている方や、副作用などでピルが飲めない方にとって、デュファストンは選択肢の一つになりうると言えるので、一度婦人科でご相談下さい。