東日本橋レディースクリニック

東日本橋にある駅チカクリニックです。診察中には説明しきれない事を中心に女性医療に関する事を書いています。

妊娠中は安静にしないといけない?

妊娠中に例えば出血してしまったり、お腹が張ったりした時に「安静にしましょう」というアドバイスをよく聞くと思うのですが、では具体的に安静がどの程度の効果があるのでしょう。

 

今回は、そんな論文をご紹介したいと思います。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/30173089/?i=190&from=obstetrics%20gynecology&filters=RandomizedControlledTrial

 

こちらの論文では、前回自然早産していない妊婦さんで、自覚症状は無いものの子宮頚管長が短くなっている方を対象に、運動がどのような影響を与えるかを検証しています。

 

子宮頚管長というのは、子宮の出口部分の長さで、妊娠初期は4cm近くあるのですが、妊娠週数が進むにつれて徐々に短くなっていき、お産の時にはゼロになって、赤ちゃんが出てくることになります。

 

病院によって基準はマチマチですが、まだ産まれる時期でも無いのに子宮頚管長が2cmより短くなってくると入院管理になる事が多いです。

 

そこで、この論文では妊娠18週から妊娠24週までで、子宮頚管長が25mm以下となった妊婦さんを対象に1日に20分以上運動する日が週に2日以上ある人を「運動群」、週に2日未満の人を「非運動群」として、妊娠37週より早く産まれる早産率について比較検討しました。

 

99人が「運動群」、201人が「非運動群」に分類されました。201人の非運動群のうち、90人(44.8%)は子宮頚管長が短くなってから運動量を減らし、111人(55.2%)は子宮頚管長が短くなる前から安静にする生活を送っていました。

 

その結果、37週以前に産まれる早産率は、運動群で22人(22.2%)、非運動群で66人(32.8%)となりました。

 

この数字だけから見ると、運動そのものが早産率を大きく上げることはなく、むしろ早産率を下げるのかも知れない、と読み取れます。

 

ただし、非運動群の早産率の高さには、子宮頚管長が短くなるまで定期的に運動していた人たちが半数ほど含まれることも影響しているのかも知れません。

 

この論文だけで、頚管長が短くなってきている方に運動を勧めるのは難しいですし、自覚症状が全くない妊婦さんへのアドバイスは、相変わらず難しいものがあるな、というのを感じました。

 

結論がはっきりしなくて申し訳ありません。引き続き、妊娠と運動に関する論文を探して、また何か見つけたら、ご報告したいと思います。