東日本橋レディースクリニック

東日本橋にある駅チカクリニックです。診察中には説明しきれない事を中心に女性医療に関する事を書いています。

モーツァルトは不安を軽減するのか

以前、子宮頸がん検診でASC-USという結果が出た時には、HPVというウィルスがあるかどうかを調べる、という話をしました。

 

https://hnlc.hatenadiary.jp/entry/2019/08/26/174856

 

ここで、HPVというウィルスがいたり、もともとの検診でASC-US以上に悪い結果が出た場合、コルポスコピーという検査が必要になってきます。

 

これは、子宮頸部(子宮頸がんが出来る場所)にお酢のにおいのする酢酸というものを付けると、悪そうな部分が浮かび上がってくるため、そこを観察する検査です。

 

そして、その悪そうな部分を「組織診」と言って、パチっとつまんで取る検査を行います。

 

酢酸を付けるだけなら痛みはほとんどないのですが、「組織診」は少し痛みを伴う事もあります。

 

そこで、今回ご紹介する論文はコチラ

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/30204685/?i=180&from=obstetrics%20gynecology&filters=RandomizedControlledTrial

 

題して「モーツァルトはコルポスコピー中の不安を軽減するのか」

 

コルポスコピー中の患者さんにモーツァルトを聴いてもらい、その不安な気持ちがどう変化するかを調べた論文です。

 

使われたモーツァルトの曲は交響曲第40番

 

https://youtu.be/JTc1mDieQI8

 

・・・物凄くリラックスできる音楽かと言うと、、、おそらく担当医の好みが最も影響しているのでしょう、、、

 

音楽の種類はさておき、もしもリラックス効果が高ければ、当院でもモーツァルトを採用しようと思います。

 

そこで、この論文ではコルポスコピーを受ける患者さんをモーツァルトを聴く群103名と、何も音楽を聴かない群102名にわけて比較しました。

 

その結果、不安を表すスコアは、モーツァルト群で-9.4、何も聴かない群で-9.0と差がないことに、、、あれ??

 

気を取り直して、不安が高まった時に心拍数も上がるだろうということから、心拍数を評価したところ、モーツァルト群で-16.3、何も聴かない群で-15.4、痛みのスコアは両者とも2、コルポスコピーの10分後の痛みのスコアは両者とも1、検査中の不安スコアも両者とも2、全体的な満足度は両者とも10、、、

 

期待しながら読んでいたのに、切なくなってきました。

 

どちらの群でも、明らかな違いは出てこなかったのです。

 

結論として、モーツァルト交響曲第40番はコルポスコピーによる不安を軽減しなかった、ということに、、、

 

音楽そのものに効果がないのか、選曲に問題があるのか、難しい所ですが、もしも聴いてて落ち着く曲があるのなら、個人的にスマホから耳元で小さく流してもらうのが一番ではないでしょうか。