東日本橋レディースクリニック

東日本橋にある駅チカクリニックです。診察中には説明しきれない事を中心に女性医療に関する事を書いています。

過多月経にMEAという選択肢

「生理の量が多くて」と受診される方の中には子宮筋腫や子宮腺筋症といった状態が見つかることがあります。

 

いずれも、エコー検査やMRI検査にて診断が付けられるのですが、過多月経以外にもひどい生理痛の原因になることも。

 

そもそも過多月経とは、産科婦人科用語解説集では「月経の出血量が異常に多いものを言う。ふつう150ml以上をいう。しかし、臨床的には患者の訴えで判断されるのでそれほど厳密ではないが、通常、その結果として貧血に陥っている場合が多い。」とされています。

 

流石に出血量をカウントされている方はほとんどいないので、実際には貧血が進むかどうかで判断していることが多いのです。

 

また、貧血が進まないにしても、夜用のナプキンがすぐ溢れてしまうなど、日常生活に支障が出ている方も治療対象に入ってくるかと思います。

 

そこで、具体的な治療法として、飲み薬だとピルなどのホルモン治療、外科的な治療だと手術して子宮を摘出したり、子宮を栄養している血管に詰め物をして血流を遮断したり、子宮内膜を焼灼したり、といくつかの選択肢が考えられます。

 

そこで、今回は子宮内膜を焼灼する

 

MEA

  Microwave Endometrial Ablation

マイクロ波子宮内膜アブレーション

 

という方法と、それに続くディナゲストという飲み薬による治療を組み合わせた論文についてご紹介したいと思います。

 

まず、MEAという治療法ですが、子宮の中に細い管を入れ、その管の先端からマイクロ波(電子レンジの仕組みと同じ)が出ることで、周囲の組織に高熱を与え、組織を焼いてしまう、という治療法です。

 

内膜を焼いてしまうことで、生理の量を減らしたり、生理痛を楽にさせる効果があります。

 

ただし、内膜というのは出産のために非常に重要となら組織であるため、今後出産の希望がある方には適応にはならない治療法です。

 

 

次に、ディナゲストに関してですが、これは子宮内膜症や子宮腺筋症による過多月経に対して使う薬で、生理の量が減ったり、生理痛が改善する効果が期待できます。

 

ただし、副作用として不正出血が多いのですが、子宮腺筋症の方がディナゲストを内服すると大量出血することがあり、慎重に使う必要が出てきます。

 

そこで、子宮腺筋症の方がディナゲストを内服する際に、前もってMEAという治療を行い、その後にディナゲストに続ける、という治療をすることがあり、今回ご紹介する論文はその治療法について記載されています。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29998482/?i=35&from=dienogest

 

ディナゲストは、子宮内膜症が悪化していくのを予防する効果があり、また子宮腺筋症に関わる生理痛も改善する効果があるのですが、時にディナゲストでは十分な効果が出ない場合があります。

 

そういった方に対して、まずはMEAを行い、その後にディナゲスト内服を続けてもらって、症状がどうなるかを調べています。

 

対象となったのは、ディナゲストが効かず、MEAを行なった後にディナゲストを継続した10名の患者さん。

 

この治療を行うことで、痛みの程度も貧血も改善し、観察期間中は症状の再発も認められませんでした。(具体的な観察期間は明記されていませんでしたが、数ヶ月で再発することは非常に考えにくい治療法かと思われます)

 

以上のことから、過多月経や生理痛で悩む子宮腺筋症をある方にとって、MEAとそれに続くディナゲストという治療法は一つの選択肢となる、と言えます。

 

MEA自体は、比較的新しい治療法で、どこの病院でも出来るわけではないので、もし興味のある方は、主治医の先生と相談して決めてみて下さいね。