東日本橋レディースクリニック

東日本橋にある駅チカクリニックです。診察中には説明しきれない事を中心に女性医療に関する事を書いています。

トキソプラズマに再感染するということ

妊娠中にトキソプラズマに感染すると、赤ちゃんに影響が出る事がある、というのを聞かれた事はあるかと思います。

 

https://hnlc.hatenadiary.jp/entry/2019/09/20/181249

 

 

今回は、そのトキソプラズマに再感染することについて書きたいと思います。

 

多くの病院では妊娠初期にトキソプラズマに対する抗体があるかどうかを調べます。

 

そこで、抗体がなければ、妊娠中に感染予防を心がけましょう、という話になります。

しかし、抗体があったとしても、妊娠中に再感染するリスクもあるのです。

 

まずは、こちらの論文。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/21600743/?i=19&from=toxoplasma%20reinfection

 

トキソプラズマのIgG抗体というものがあると、以前に感染したことがあり、抵抗力があるという評価をするのですが、そのIgG抗体があっても、妊娠中に再感染したことがある、という論文です。

 

また別の論文では、

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/19032062/?i=29&from=toxoplasma%20reinfection

 

フランスで、妊娠前にトキソプラズマに感染して抗体のあった妊婦が、妊娠中に生の馬肉を食べて再感染したことが報告されています。

 

この再感染したトキソプラズマの遺伝子型を調べたところ、ヨーロッパでは非常に珍しく、南アフリカでよく見られるものでした。

 

そこでマウスによる実験を行ったところ、ヨーロッパに多いトキソプラズマに対する抗体は、ヨーロッパ以外を旅行したり、輸入された肉を食べることによって感染するトキソプラズマに対して抵抗力がないことがわかりました。

 

つまり、「トキソプラズマ 」と言っても、その中でいくつかの種類があり、一度感染したとしても、違う種類のトキソプラズマに再感染するリスクはあると言えるのです。

 

以上のことから、採血結果で「トキソプラズマに抵抗力がある」と判断されても、生肉を食べない、非加熱の乳酸品を食べないなど、妊娠中のトキソプラズマ対策は必要ということが言えるのです。