東日本橋レディースクリニック

東日本橋にある駅チカクリニックです。診察中には説明しきれない事を中心に女性医療に関する事を書いています。

デリケートゾーンにイボが出来たとき コンジローマかも

デリケートゾーンは比較的、出来物ができやすい部分です。

 

多くの場合は、毛嚢炎といって毛穴にバイ菌がはいって腫れてしまうケースや、粉瘤といって皮脂がたまる出来物が出来るのですが、中にはコンジローマと言って性感染症による出来物が出来ることがあります。

 

そこで今回は、コンジローマについて説明したいと思います。

 

コンジローマの原因は、HPVというウイルスが原因となる性感染症です。

子宮頸がんの原因として有名なHPVですが、その種類は180種以上あると言われており、コンジローマはそのHPVの中でも6型や11型が原因の90%を占めています。

 

感染経路は?

性的接触により感染するのですが、潜伏期間は3週間~8カ月(平均3カ月)とかなり長い間潜伏していることがあります。

腟の周りや肛門周囲にできるのですが、よく見れば鶏のトサカのような細かくトゲトゲしていることがあります。それが徐々に大きくなっていき、あまり長い間放置しておくとかなり大きいイボになることも。

 

そのため、気になる出来物があるときには、早めに受診してもらうことが必要です。

小さい子どもに感染が見られることもあり、その場合には性的虐待を考慮する必要がありますが、両親の手指を介して感染することもあると言われています。

 

治療法は?

治療法にはいくつかあるのですが、一番簡単なのは塗り薬を継続してもらうことです。外科的に焼いたり切除することもあるのですが、塗り薬の方が痛みが少ないので一番に選択することが多くなっています。

 

イボの部分に1日1回、週に3回、寝る前に塗布し起きた後に石鹸で洗い流すことが大切です。比較的強めのお薬なので、イボではない部分に付着してしまい、そのまま置いておくと赤く腫れてしまうことがあるので、しっかり洗い流すようにしてください。また、どうしてもイボの周りの部分についてしまって痛くなる時には、しばらく使うのを控えて、改善してから塗るようにしてください。

 

多くの場合はそれで治るのですが、仮に治ったとしても3カ月以内には25%が再発すると言われているので、経過観察は大切になってきます。

 

妊娠中のコンジローマについて

妊娠中にコンジローマが見つかった場合は、基本的には外科的切除が第一選択になります。上で説明したような塗り薬に関しては、まだ妊婦さんに対して使用数が少ないため、安全性の評価はこれから、という状況です。

そして、問題となるのがコンジローマの原因であるHPVが赤ちゃんに感染した場合です。HPVが感染すると、再発性呼吸器乳頭腫症という病気を発症することがあります。これは子供の気管に乳頭腫というイボが出来てしまい、声枯れの原因になったりするのですが、イボが大きくなって気道をふさぐこともあり、手術をして切除することになります。しかも、この乳頭腫は再発しやすいため、手術を繰り返すことも。

 

そのため、コンジローマが見つかった場合には、しっかりと治療することが大事であり、腟の中に大量にコンジローマが出来ている場合には、帝王切開をすることもあるため、しっかりと相談して方針を決めましょう。

 

以上、デリケートゾーンにできやすいイボの中でもコンジローマについて説明しました。

見慣れていない方だと、腟前庭乳頭腫というものをコンジローマだと見間違えることもあります。どちらも腟の入り口に見られるものですが、腟前庭乳頭腫は治療の必要がないものなので、もし心配なことがあれば、婦人科で相談するようにしましょう。

 

 

 

出産病院を選ぶ基準 出血の点から

妊婦健診をしていると時々「どこの病院がオススメか」と聞かれる事があります。

 

母体、赤ちゃんの命にとってのベストと言われると、NICUがあって、様々な診療科も揃っている総合病院というのがベストになってきます。

 

ただ、オススメと言われると、その判断基準が「命」なのか、入院中の快適な生活なのか、はたまた医師や助産師との相性も含むのか、と色々考えだすと、途端にオススメ病院を挙げるのが難しくなってしまいます。

 

そこで、今回は母体と赤ちゃんの命という視点、特に母体の出血量に関する視点で説明したいと思います。

 

まずはこちらの論文をご覧ください。

 

https://www.ejog.org/article/S0301-2115(09)00646-0/fulltext#/article/S0301-2115(19)30243-X/fulltext

 

こちらの論文では、1999年から2009年にかけて、オランダで生まれた妊婦さんを対象に、経腟分娩・帝王切開における1000ml以上の産後出血と、胎盤用手剥離の関係について調べています。

 

胎盤は赤ちゃんが生まれた後に自然に剥がれてきたり、臍帯を引っ張って剥がしたりするのですが、なかなか剥がれない時には、胎盤と子宮の間に指を滑り込ませて、文字通り「手」を使って剥がすことになります。

 

自然に剥がれる場合に比べて、やや強引に剥がす部分もあるので、用手剥離の方が出血量が多くなりがちですね。

 

検討の結果ですが、359,737人を対象に調べた所、5.4%が最初の妊娠時に1000ml以上の出血があり、2.7%は胎盤を用手剥離していました。

 

次の妊娠で1000ml以上出血するリスクに関しては、そういった出血がない方では3.9%だったのに対し、以前にそういう出血があった方では18%の確率で繰り返すことがわかりました。

 

また、胎盤の用手剥離に関しても、前回用手剥離をしていない方では1.4%だったのに対し、前回用手剥離した方では17%の確率で繰り返していました。

 

中でも妊娠32週から37週までの間に用手剥離を経験した方では、再び用手剥離を受けるリスクが8.9倍になっていたのです。

 

以上のことから、出血量の多さや胎盤の剥がれにくさは繰り返すリスクがあることがわかり、前回の出産時にそういった事があった方は、それなりに大きい病院での出産を考えた方がいいと言えます。

 

出産病院をどこにするか迷われている方は、参考にしてみて下さい。

妊娠中の薬と子供の発達障害について

以前、不眠や不安障害の時によく使われるベンゾジアゼピン系という薬と妊娠の関係について書いたのですが、今回は同じようにベンゾジアゼピン系の薬や、ベンゾジアゼピン系の薬と似たような作用を持つ睡眠薬と、妊娠の関係について調べた論文をご紹介したいと思います。

 

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2729800

 

こちらの論文では、先程説明したベンゾジアゼピン系の薬と睡眠薬を妊娠中に内服した場合、子供にどのような影響があるか調べています。

 

対象となったのは1999年から2008年にかけてノルウェーで調査した父母とその子供、5歳の時点での子供の発達を評価しています。

 

36,086人の子供(18,330人は男の子、17,756人は女の子)について調べたところ、283人は妊娠中にお母さんがベンゾジアゼピン系/睡眠薬を内服していました。

(134人は不安障害/鬱病、60人は睡眠障害、89人は疼痛関連疾患でした)

 

その結果、妊娠中のどの期間にベンゾジアゼピン系/睡眠薬を内服していても、子供の明らかなADHD症状や細かい運動機能の障害を引き起こすリスクに大きな影響はありませんでした。

 

一方で、鬱病/不安障害のあるお母さんが妊娠後期にベンゾジアゼピン系/睡眠薬を内服すると、体を大きく動かす機能やコミュニケーション機能の障害が起きる確率が高くなっていました。

これに関しては、鬱病/不安障害に対する他の薬を高容量に内服している事などが原因となっている可能性もあり、ベンゾジアゼピン系/睡眠薬だけが問題とは言い切れない結果でした。

 

以上のことから考えられるのは、少なくともベンゾジアゼピン系の薬/似た系統の睡眠薬によって、ADHD症状や細かい運動機能の障害のリスクは上がらない、ということです。

 

ベンゾジアゼピン系の薬に関しては、他にも様々な論文がありますので、その都度ご紹介していきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腫瘍マーカーで感染症の治療効果を予想する

今回は少し専門的な論文になりますが、興味深いものを見つけたのでご紹介したいと思います。

 

骨盤内感染症と言って子宮から細菌がお腹の中に入り感染を起こす病気についての論文です。

 

お腹の中の感染は腹痛や発熱の原因となり、軽いものであれば抗生物質での治療だけで良くなるのですが、重いものになると入院したり手術が必要になることも。

 

そういった細菌がお腹の中に入った時に一番問題になるのは「膿瘍」という細菌の塊を使ってしまうことです。

 

塊を作ってしまうと抗生物質を使っても塊の中までは薬が届かず、結局は外科的に塊を取り除かないといけなくなる事が多いからです。

 

そこで、今回ご紹介する論文では、骨盤内感染症を起こした女性のうち、25%近くが抗生物質での治療が効かず、外科的治療が必要になった経過について評価しています。

 

https://www.ejog.org/article/S0301-2115(09)00646-0/fulltext#/article/S0301-2115(19)30215-5/fulltext

 

対象となったのは、2007年から2018年にかけて、卵巣や卵管に膿瘍を作って骨盤内感染症として抗生物質の点滴治療を受けた91人の患者さん。

 

治療経過として、39人(42.8%)が抗生物質の点滴が効かずに外科的治療を受けることになりました。

外科的治療が必要になった人たちの特徴としては、血液検査での炎症反応が高かったことが挙げられます。

 

入院時のデータで比較すると、CRP (15.7 vs. 10.8 mg/L)、白血球(14200 vs. 12400)、血小板 (374 vs. 295 109/L)と、いずれも炎症反応の高さが外科的治療の必要性と関係していました。

 

また、同様にCA125という腫瘍マーカーも、57 v.s. 30U/ml と外科的治療群で高い値をとっていました。

 

それに加えて、入院時の膿瘍の大きさも、外科的治療が必要になったのは平均75mm、抗生物質の点滴で改善したのが平均57mmという結果でした。

 

骨盤内感染症で入院される方は決して珍しいことではなく、基本的には抗生物質だけで改善する事が多いのですが、膿瘍を作っている場合に手術が必要になるかも、という1つの指標としてCA125が使えるというのは大変勉強になりました。

赤ちゃんのために禁煙する方法

以前から喫煙が妊娠に与える影響についてブログに書いてきました。

 

喫煙が妊娠に与える影響 - 東日本橋レディースクリニック

 

そこで、今回はどうすれば禁煙できるかについて書きたいと思います。

 

もちろん、シンプルな方法は禁煙外来に通ってもらうことなのですが、今回は違う側面から。

 

まずはこちらの論文

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/27608322/?i=2&from=/31628523/related

 

901人のスペインの妊婦さんを対象に、妊娠ちによって、どのような特徴が禁煙につながるかを評価しています。

 

その結果、妊娠中も喫煙を継続する確率としては、パートナーが喫煙者だと5.578倍、大学レベルの学歴がないと2.803倍、エジンバラ産後うつ病尺度(産後うつ病を評価するための10項目のアンケート調査)で高得点だと1.073倍、STAI(40個の質問で不安状態にないか、不安を感じやすい特徴がないかを調べる検査)が高得点だと1.027倍という結果でした。

 

一方で、妊娠初期に自然に禁煙できた確率としては、初産だと2.463倍、大学レベルの学歴があると2.141倍、妊娠前の喫煙本数が少ないと1.175倍、STAIの点数が低ければ1.045倍という結果でした。

 

この結果から、不安やうつ傾向があると少し禁煙しにくい、というのが読み取れます。

また何よりもパートナーが喫煙者だと非常に禁煙しにくい、というのも読み取れます。

 

そこで、次の論文はパートナーの喫煙に関して調べたものです。

 

Partner smoking influences whether mothers quit smoking during pregnancy: a prospective cohort study. - PubMed - NCBI

 

こちらの論文では、この486名のスペインの女性を対象にして調べています。

 

その結果、61.08%が妊娠中に禁煙しました。

妊娠前の喫煙率36.06%は、妊娠初期に14.08%、妊娠中期に12.39%、妊娠後期に11.92%と減少していきました。

 

また喫煙本数は、妊娠初期が1日8.71本、妊娠中期が1日5.51本、妊娠後期が1人5.96本と少しずつ減っていました。

 

しかし、パートナーの喫煙率は妊娠前が38.44%、妊娠初期が36.07%、妊娠中期が32.72%、妊娠後期が31.85%とわずかに減少するにとどまりました。

 

また、パートナーの喫煙本数は妊娠初期に1日11.75本、妊娠中期に1日11.67本、妊娠後期に1日12.9本と減少は見られませんでした。

 

その結果、パートナーが喫煙したままの妊婦さんでは、禁煙成功率が0.26倍と言う結果に、、、

 

以上の結果から、いかにパートナーの禁煙が大切かがわかると思います。

 

妊娠中にタバコを吸う事は非常に問題があり、その認識は皆さん持っていると思います。

しかし、それは妊婦さんだけの問題ではありません。

 

妊婦さんが禁煙に成功するためにはパートナーの協力がとても大切だということです。

 

なかなか禁煙できない事はニコチン中毒という中毒症状でもあります。その中毒症状に苦しんでいる方の身近で喫煙する人がいれば、いかに意志が強くても、禁煙がうまくいかなくなる事は想像に難くありません。

 

パートナー含め、妊婦さんが身近にいる時は、妊婦さんのため、自分のため、赤ちゃんのために周りも率先して禁煙しましょう。

 

 

 

クリニック周辺グルメ パン屋さん

お昼にふらっと散歩している時に、焼きたてのパンの匂いに誘われて見つけたのがコチラ

 

ビーバー ブレッド
東京都中央区日本橋3-4-3 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130204/13215647/

 

ビルの角にあるこじんまりとしたお店です。

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店内が狭いので、一度に入れるのは6名まで、とのこと。お昼過ぎに行ったのにお客さんが並んでて、しばらく外で待ってから入りました。

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ちなみに、お客さんが途切れることはなかったのですが、私以外、皆さん有閑マダム、、、

 

やや肩身の狭い思いをしながら、美味しそうなパンを選びます。

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どのパンも美味しそう!惣菜パンも沢山ありますし、菓子パンも沢山。

 

ちょっとしたランチに出来そうな品揃えです。

 

ひとまず、じゃがバタとクリームパンとアンパンを購入。

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可愛らしい袋に詰めてもらって帰ってきました。

 

じゃがバタは結構ボリュームがあって、ジャガイモは柔らかく、パン生地もライ麦パンでしょうか、しっとりした生地で美味しい!

 

クリームパンは何が入ってるのかわかりませんでしたが、ほんの少しピリッとした辛味が、、、何だったんでしょう。パンの表面が少し乾燥していたのか、もともとそういうパンなのかわかりませんでしたが、少し皮が固めでした。中身はカスタードクリームとホイップクリームが入っていて美味しかったです。

 

あんパンは、甘さ控えめの粒餡で、小さめサイズ。小腹が空いた時にちょうど良い感じです。

 

他にも食べてみたいパンが沢山あったので、また行ってみようと思います。

 

 

お産の傷を軽くする方法

経腟分娩をする時、特に初めてのお産の方であれば、どうしても会陰裂傷という傷が外陰部に出来てしまいがちです。

 

赤ちゃんの頭の大きさに比べて、腟の出口の広がりが足りないために裂けてしまったり、あるいは予防的に会陰切開と言って、切って広げることも。

 

そこで今回は、その会陰裂傷を出来るだけ少なくする論文があったのでご紹介したいと思います。

 

https://www.ejog.org/article/S0301-2115(09)00646-0/fulltext#/article/S0301-2115(19)30297-0/fulltext

 

こちらの論文では、2103人の妊婦さんを対象に、温かいタオルで分娩第二期(子宮口が完全に開いてから赤ちゃんが生まれるまで)に会陰を圧迫する効果について調べています。

 

赤ちゃんの頭が会陰を圧迫し始めてから、もしくは分娩第二期になって赤ちゃんが下がってきてから温かいタオルでの圧迫を開始した結果、会陰裂傷のないお産が22.4%でした。一方、そういった圧迫をしなかった場合は15.4%でした。

 

肛門括約筋が断裂する3度裂傷は、1.9% v.s. 5.0%、直腸まで裂ける4度裂傷は、0.0% v.s. 0.9%、3度・4度裂傷を合わせると、1.9% v.s. 5.8%と、どれも温かいタオルで圧迫したほうが低い確率になりました。

 

また、会陰切開の確率も10.4% v.s. 17.1%と、温タオルでの圧迫に効果を認めました。

 

このように、出産の時の会陰の傷を出来るだけ小さくするためには、温かいタオルで圧迫することが大切だということがわかります。

 

会陰の傷は、産後の尿失禁や会陰の痛み、性機能への影響も考えられるため、出来るだけ予防しておいた方がいいと言えます。

 

温かいタオルで圧迫する程度であれば、他に大きな問題も起きないでしょうし、これからお産に控えている方は、一度分娩先で対応しているかどうか確認されてはどうでしょうか。